通信速度制限を解除する裏技ってある?なぜ制限するのか理由を解説します
本記事では、なぜ通信制限をする必要があるのかをご紹介したいと思います。
通信制限された側からすると、
「なんで高いお金払ってるのに制限されないといけないんだ!?意味不明だ!!」
「128kbpsに通信制限されたら何もできない!」
「速度制限を解除する裏技ってあるの?」
と思う方もいるかと思います。
結論から言うと、たくさん通信を行うごく少数のユーザーへ通信制限するおかげで、多くのユーザーが救われているんです。
そのあたりの話について簡単に説明していこうと思います。
- なぜ通信制限が必要なのかの理由
- 昔はなぜ通信制限がなかったのか
- ドコモのギガホプレミアは本当に使い放題なのか
イメージを持ってもらうことを目的にしているため、厳密に言うと違う部分があるのはご了承ください。
それでは始めていきましょう。
無線通信に必要な資源の公平な利用


スマートフォンが通信できる仕組みとしては、まずキャリアにより建てられた通信基地局と通信しているというのを以下の記事でもご紹介しましたね。
各基地局ごとの通信可能範囲にいる端末が、その基地局と無線で通信を行ってデータをやり取りしています。
周波数という有限な資源が占有される


無線で通信をする際には、それぞれの端末に周波数帯域が割り当てられます。
周波数帯域は有限な資源なので無線接続する人数が増えれば増えるほど一人に割り当てる帯域幅が減ります。
オーバーラップしたりもします。
(イメージしづらいと思いますが、割り当てられる帯域幅が大きい、すなわち通信速度が速いと考えてください。)
大量に通信するユーザはこの有限な資源である帯域の多くを占有してしまう可能性が出てきます。
すると他のユーザーに割り当てられる帯域が減ってしまうのです。
つまり、他ユーザーの通信速度が遅くなり、通信品質の低下を引き起こします。
するとやがて多くのユーザーの口コミで「このキャリアは通信品質最悪だ!遅い!」と言われ評判がガタ落ちしてしまうのです。
多くの人を救うための手段が『通信制限』
こういった多くの人の通信品質低下という劣悪な状況を少しでも減らすために「通信制限」というものが考えられました。
『”大量通信する少数のユーザー”のせいで”普通に使ってる大勢のユーザー”の通信品質が落ちてしまう』という問題を解決するために、です。
基地局の先はそれぞれのキャリア毎にNTT網、KDDI網、ソフトバンク網に繋がっており、大容量トラフィック(データ量のこと)をさばけるようにはなっています。
ですが、さすがに通信速度には限界値が存在しますので、大量通信はなるべくさせないように制限を設ける必要があります。
この通信制限という考え方は昔からあったのでしょうか、が次です。
昔はトラフィックが少なく通信制限しなくても済んでいた
現在は4G・LTEが主流ですが、一世代前の3Gが主流だったころはどうだったのか、と思う方がいると思います。
ガラケーの頃は「速度制限」なんてほぼ存在しなかったですよね?
2010年あたりはガラケーが多数、スマホが少数くらいの割合だったかと思いますが、上記図の総務省(データトラフィックの拡大)によると2014年と2020年のモバイルデータを比較すると19倍程度になっているのが分かります。
すると2022年の今とさらに昔の2011年を比べるともっと差があるのが分かるかと思います。
近年、人々の通信データ量が増えているのです。なぜ増えているかはなんとなく察しが付くかと思います。
ガラケーは今のようなリッチコンテンツではなかった
3Gの頃はガラケーが主流でどちらかというとテキストベースのコンテンツが主流でした。
今日のようにYouTubeや画像といったリッチコンテンツ(ファイル容量の大きなコンテンツ、データのこと)ではなかったので、発生するデータ量は少なく通信設備が携帯電話のトラフィックに耐えられていました。
写真も今よりもかなり画質は低かったですもんね。
この頃はインターネットをするなら基本PCで、綺麗な写真撮るならデジカメという考え方が当たり前でした。
スマホが普及しだす前まではこれで良かったんです。
現在ではスマホはほぼPCの代わりとなリトラフィックが爆発している
しかし今ではスマホが普及し、誰もがスマホでインターネット、ネットショッピング、動画視聴、写真撮影、動画撮影がメインになりつつあり、爆発的にトラフィックが増えています。
インターネットサイトも、これからはスマホでアクセスされる時代だからスマホでの表示に最適化するように、と言われてきています。
ちなみに4G対応スマホが出たのが2010~2011年頃だったので、たった10年くらい前の話です。この頃にLINEが出てきました。懐かしいですね。
たった10年ですごい生活の変わりようですよね。
無制限使い放題は本当に無制限なのか
ドコモのギガホプレミアを見ると、5Gだけではなく4Gも使い放題のプランとなっています。本当に制限がないのかが気になりますが、「注意事項」に以下のような記述があります。
ネットワークの混雑状況によって、通信が遅くなる、または接続しづらくなることがあります。また、当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。
(~省略~)
特定のコンテンツやアプリでの大量のデータ通信などにより、当社設備に影響をおよぼすと当社が判断した場合は、当該コンテンツやアプリ利用におけるそのデータ通信の速度を制限することがあります。
5Gギガホ プレミア -ご注意事項-
簡潔に言うと以下の場合に速度制限がなされます。
- 直近3日間のデータ通信量が特に多い場合
- ドコモの設備に影響を及ぼす程のデータ通信を行っていると判断された場合
- 特定のコンテンツやアプリにて大量通信を行ったと判断された場合
このような場合には速度制限や一定期間の通信停止を行いますよと言っています。よく聞くのが3日間で10GBで速度制限とかですよね。
上記の考えを基にすると、速度制限無しで使い放題なわけがありません。他のユーザーに迷惑がかかるがゆえに、必ずどこかのタイミングで速度制限がなされます。他人に迷惑がかかる以上、常時大量通信させることは不可能です。
なので固定回線としてバリバリ使うのはどうしても無理があるんじゃないかなと、僕は思います。
まぁドコモからすると、ギガホプレミア加入ユーザーは7,315円も支払ってくれているプレミアムなお客様なので多少のネットの使いすぎには目を瞑ってくれると思いますが。。。
(ギガホプレミアに契約してるからといってほとんど使わないユーザーがいるのも事実なんです)


128Kbpsなどの通信制限を解除する裏ワザはあるのか
結論から言うと、ないと思います。
キャリア側は誰から来た通信かを把握することができるので、制限をすり抜けるような策は無いと思います。
別回線の活用
別の回線を利用するという方法を取れば速度制限を回避して通信を行うことが可能です。
新たな格安SIMとの契約
例えばLINEMOの場合はLINEはカウントフリーで利用することができます。
速度制限されてもLINEだけは通常速度で使えるので、速度制限を回避できるとも考えられます。
僕もLINEMOミニプランを利用していますが、LINE分のギガ消費が無いので3GBで収まるようになりました。
ポケットWi-Fi
ポケットWi-Fi(モバイルルータ)を入手して、Wi-Fi経由でデータ通信すれば通常の速度で通信が可能になります。
大容量で低価格のモバイルルータを選べばコスパが高いです。
(どこの事業者か分からないようなモバイルルータの通信速度に関しては期待できません。)
固定回線の活用
固定回線では無線通信に比べて、速度制限がほぼありません。
そのため、家庭には制限のない光回線を引き、その分家族のスマホ代を安くするのが料金的にも最適解だと感じます。
近年ではIPv6対応の光回線が出てきたので、従来と比べかなりの速さを実感できます。
▶なぜIPv6に対応していると通信速度が速いと言われるのか、エンジニアがわかりやすく解説します
本記事のまとめ
本記事では、通信制限の理由についてご紹介してきました。
スマホの普及によって豊かな生活が手に入りましたが、その結果としてトラフィックが急増し、それ原因で「通信制限」という考え方が出始めてきました。
2020年代は、スマートフォンもいかにしてトラフィックを減らして使うかをしっかり考えて使わなければならない時代が来たということです。
本ブログでは、現役ネットワークエンジニアの僕が通信容量の節約や格安SIMへの乗り換えにより料金を節約する方法について取り扱っているので、他の記事もご覧ください。
▶スマホ料金節約へ!無駄なデータ量を削減するために見直すべき5つのコト

