OCNモバイルONEがグローバルIPでバッテリー消費が増える理由!ついにプライベートIP割り当てへ



グローバルIPからプライベートIPになって何が良くなる?何が悪くなる?
OCNモバイルONEといえば、端末とセットで購入することで端末代が激安となる格安SIMということは知ってますよね。
近年ではドコモのエコノミーMVNOの位置づけとしてドコモショップでも契約できるようになりました。
そんなOCNモバイルONEですが、他の格安SIMと比べバッテリー消費が大きいという検証結果があるのはご存じでしょうか?
その理由は、グローバルIPアドレスを利用しているからと言われています。
そんなOCNモバイルONEが2022年6月6日よりプライベートIPアドレスに対応し、バッテリー消費が抑えられるかも?ということで、本記事では簡単にグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスについて簡単にご紹介したいと思います。
「OCN モバイル ONE」におけるサービス仕様変更について



個人的には初日にトラブルが起きないか心配です。
プライベートIPアドレスのメリット・デメリット
グローバルIPアドレスと比較した時のプライベートIPアドレスのメリット・デメリットについて先に結論を記載しておきます。
メカニズムや理由を知りたい方は、後ろも読んでみてください。
- バッテリー持ちがよくなる
- スリープから起こされる機会が減る(つまり↑のバッテリー持ち向上につながる)
- インターネットを介して機器(Webカメラ、外部公開サーバー等)へのアクセスができなくなる
スマホのSIMとして使っているかたが99.99%だと思うので、全くデメリットは無いと言えます。
デメリット無く、バッテリー持ちが格段に向上するので、メリットのみと言っても良いでしょう。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスとは


グローバルIPアドレス
全世界で一意なIPアドレスで、異なるネットワークでも同じIPアドレスが割り当てられることはありません。インターネット上で通信することが可能になります。インターネットをするためには、必ずグローバルIPアドレスが割り当てられている必要があります。
プライベートIPアドレス
社内や自宅内など、閉じたローカル空間で使われるIPアドレス。192.168.x.xや172.16.x.x、10.x.x.xといったIPアドレスが良く使われます。このIPアドレスのままではインターネットアクセスはできないので、グローバルIPアドレスへのアドレス変換が必要になります。
グローバルIPアドレスが割り当てられるとバッテリー消費が大きい理由
この理由に関しては、様々な方が実際に検証しており、OCNモバイルONEのSIMを挿した時のスリープ状態と、別のSIMを挿した時のスリープ状態とを比較した結果があります。
この結果から「OCNモバイルONEは使用していない待ち受け状態でもバッテリー消費が多い」という結果が明らかになっています。
なぜ、バッテリー消費が激しいかについて、これはインターネット上の誰か(機器)から、不特定多数を相手とする通信、あるいは直接アドレスを指定した通信が発生した場合に、その通信に応答してしまいスリープが解除されているというもの。
決して相手に悪意があるわけではなくて、通信時の制御信号等も含まれています。


要は通信が発生する度に端末が起きてしまう(画面はスリープしているようにみえるが通信部が起きてしまう)ため、バッテリーを必要以上に消費してしまっているというのが主な理由です。
バッテリー消費の対策としてプライベートIPアドレス割り当てが実現へ


このグローバルIPアドレスからプライベートIPアドレスへの変更により、そんな訳の分からない相手からの通信の宛先にされることのないプライベートIPアドレスを持つようにすると、回避することが可能です。
そのため、スリープ状態が外部から起こされることは確実に減るため、バッテリー消費が小さくなることが期待されます。
ここには記載していませんが、当然普通にスマホを使うための通信はグローバルIPでもプライベートIPでも可能です。
なので、OCNモバイルONEユーザーが何かを通信上で体感することはないと思います。
(あくまでバッテリー消費が改善されるくらいの変化だと思います。)
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プライベートIPアドレスの設定方法
OCNモバイルONEでは、6月6日より公式サイトにてプライベートIPアドレス用のAPN設定を公開するとのことです。どの辺のパラメータが変更となるのかは未知数ですが、簡単に設定変更は出来ます。
APN名を「lte-d.ocn.ne.jp」を「ocn.ne.jp」 に変更すればプライベートアドレスとなるようです。
APN設定方法(2022年6月6日(月)10時より公開)
- Androidの場合:
-
https://support.ntt.com/personal/purpose/detail/pid2900000g9p
- iOSの場合:
-
https://support.ntt.com/mobile-one/download/detail/pid2100000ctd
ただし、初日は想定以上のアクセスで負荷が高まったりとトラブルが起きやすいので、もとに戻せるように、別のプロファイルとして設定しておくことが望ましいかと思います。
プライベートIPアドレスになるとユーザーは何ができなくなるか?
普通にスマートフォンとして使っている方には全く何も影響ありません。
グローバルIPアドレスの場合は、外部からでもアクセスが可能になるという利点から、外出先から自宅の玄関に設置したWEBカメラにアクセスしたり、自宅のPCへリモートアクセスし遠隔操作したり、ということができる状態になっていました。
今回の件だとOCNモバイルONEつまりはスマホが対象なので、殆どの方がスマホに挿入しており、外部からアクセスするという使い方は基本的にはしていないはずなので、9割9分誰もグローバルIPの利点を感じていないと思います。



OCNモバイルONEを使って外部公開用のサーバを立てている方はいないと思いますが、プライベートIPに変更するとできなくなります。
プライベートIPアドレスになることで、上記のようなインターネットを経由した外部からのアクセスができなくなってしまいます。
プライベートIPアドレス割り当ての懸念点
ネットワーク事業者側の観点ですが、プライベートIPアドレスのままインターネットアクセスは出来ないので、通信経路上でプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する装置・機能が必要になります。(現在の経由してるNTTのルータに機能があれば使える)
それにより、アドレス変換処理が必要になるので、少々の時間ロスがあるかもしれません。つまりユーザー側の影響としてはPing時間の低下や、通信速度の低下を招く可能性もあります。
もしかすると一部の方は微々たるものかもしれませんが通信速度が低下する可能性があるかもしれませんね。
また、このあたりはOCNモバイルONE側でも検証していると思いますが、変換するアドレスの対応付けテーブルがちゃんと作られるか、変換するアドレス数が枯渇しないか、などで通信ができなくなるトラブルが発生する可能性もあります。
別問題ですが、「ドコモが導入したIPv6シングルスタックにメリット・デメリットはある?」でも取り上げたように、以前ドコモでIPv6とIPv4の変換箇所で処理負荷が高まり通信障害が起きたということがあったので気を付けてほしいと思います。
このあたりは、バッテリー消費を取るか通信速度を取るかでAPN設定を変更すれば良い話になるので、ユーザー側で決めることができます。
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本記事のまとめ
本記事では、OCNモバイルONEが6月6日よりプライベートIPアドレスの提供開始となることで、何が良くなり何が悪くなるのかの観点で、解説してきました。
バッテリー面では、以前から検証されていたOCNモバイルONEのスリープ状態でのバッテリー消費が大きい件が改善されるかもしれません。
通信の観点で言うと、普通にスマホを使っているユーザーにとってはそこまで通信に影響があるわけではありません。しかし、通信経路上でIPアドレス変換機能が動作する訳なので、通信速度の低下を引き起こす可能性が考えられます。
もしかしたらOCNモバイルONEが通信速度が速い理由がここにあるのかもしれないので、特徴が1つ無くなる可能性も考えられます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。