CCNP ENCORに合格!超効率的な勉強法や試験内容、出題問題について解説します!


新技術が全く分からない現役ネットワークエンジニアが、独学で2ヵ月問題を解き続けCCNP ENCORを受験してみたら一発で合格できたので、勉強法や試験内容を解説していこうと思います。
僕は試験中、問題が分からなさ過ぎてめちゃくちゃ不安に襲われ確実に落ちたと思ってしまったので、そうならないように皆さんにお伝えできればなと思います。
- CCNPの概要
- CCNP ENCORの勉強方法
- CCNP ENCORの勉強時間・教材
- 試験の解答について感じたこと
僕は、企業で現役ネットワークエンジニアをやっています。実務経験は10年目です。CCNP R&Sは保持しており、今回初の更新で新CCNPを受けることになりました。試験範囲がかなり拡大されており、一通り覚えるまで苦労しました。。。



よろしくお願いします!
実務で覚えてしまっていた部分も多少はありましたが、CCNPが新体系となりレガシーなプロトコルより、Cisco DNA CenterとかSD-ACCESS、RESTCONF、NETCONF、JSON、YANGなどなど全く知らない分野が試験範囲になったことで、自分の知識がいかに古いのかを思い知らされました。
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CCNPとは


CCNPの試験体系が2020年2月にガラリと変わりました。今までCCNP Route、CCNP Switch、CCNP Tshootの3つに合格することでCCNP R&Sの認定となっていました。
しかし、2020年2月の新体系ではコア試験のCCNP ENCORが必須科目、加えてコンセントレーション試験の中から1つ合格すると、CCNP Enterpriseの認定となります。
(2020年2月以降、CCNP R&S保持者は自動的にCCNP Enterprise保持に切り替わっていました。)
[必須科目]テクノロジーコア試験
ENCOR試験は必ず受ける必要があります。
受験料は44,800円+税です。
- 350-401 ENCOR Implementing and Operating Cisco Enterprise Network Core Technologies (ENCOR)
[選択科目(1つ選択)]コンセントレーション試験
6つのうちから1つ選択選択する必要があります。
受験料は33,600円+税です。
- 300-410 ENARSI Implementing Cisco Enterprise Advanced Routing and Services (ENARSI)
- 300-415 ENSDWI Implementing Cisco SD-WAN Solutions (SDWAN300)
- 300-420 ENSLD Designing Cisco Enterprise Networks (ENSLD)
- 300-425 ENWLSD Designing Cisco Enterprise Wireless Networks (ENWLSD)
- 300-430 ENWLSI Implementing Cisco Enterprise Wireless Networks (ENWLSI)
- 300-435 ENAUTO Implementing Automation for Cisco Enterprise Solutions (ENAUI)
つまり、CCNP受験者にとってコア試験であるENCORは必須となるので、必ず乗り越えなければならない試練という位置づけになります。
CCNP ENCORの合格点は?何割取れれば合格か。
そういえば何点取ればよかったんだっけ?とふと疑問に思ったので算出してみました。
CCNP ENCORは合格点は1000点満点中825点です。問題数は僕の場合は102問でした。103問の方もいるようです。
下記計算が正しいのかわかりませんが、約75%の正答率で合格なのかなと感じます。825/1000だから82.5%じゃないの?と思うかもしれませんが、たぶん違います。
Ciscoの試験のスコアは300~1000点の範囲で取りうるので、300点はもらえてるものと仮定すると、残り700点で525点取れればよいわけです。なので525/700(75%)で良いと思います。
または、700点満点で102問全部同じ得点と考えると、1問あたり約6.86点、つまり102問中77問前後正解すれば合格ということになります。大体75.5%ですかね。



とはいえ、回答に自信が無かったので個人的な感覚では正答率50~60%くらいの出来だったのですが、意外と点がもらえてるなという印象を受けました。
試験問題形式(102問中)
形式 | 問題数 |
---|---|
1つ選択 | 約87問 |
複数選択 | 約10問 |
ドラッグ&ドロップ | 約5問 |
シミュレーション問題 | 無し |
複数選択問題は「2つ選べ」が多かったような気がします。3つ4つ5つ選べは無かったと思います。運が良かっただけなのか??
シミュレーションは無かったので確認のshowコマンドや設定変更のコマンドが打てなくても問題ありませんでした。打てなくても出力されている値がどのような意味を持つのかはきちんと理解しておいてください。
CCNP ENCORの勉強時間と使用した教材


CCNP ENCORの勉強時間
約2ヵ月、1日1~1.5時間程度でした。合計60時間くらいです。
仕事終わってから寝る前までにコツコツ問題を解いていきました。仕事で疲弊していた日は勉強しなかった日も何日かありました。(甘えすぎです)
勉強時間については人それぞれだと思いますが、200時間とか100時間とかの方もいます。ENCORはボリュームあるので全部理解しているとこれくらいかかるのは妥当な気がします。
ちなみに、あの有名なクラムメディアの購入も考えましたが、サンプル問題が無かったので今回は諦めました。
僕の超効率的(?)な勉強方法については、後述しています。
CCNP ENCORの勉強に使った教材・参考書
試験の受験料も痛い出費なのに、その準備に向けてどれほど教材・参考書を買い込むかは結構悩みますよね。
Ping-t
Ping-tが8割くらい。多分Ciscoの試験受けようとしている方であればだれでも知っているかと思います。
CCNPになると完全に有料コンテンツになってしまいますが、割と良心的な価格なのでお小遣いで何とかなります。問題数と料金を考えると、コスパは最も良いと思います。
参考書や問題集も購入しようかと悩みましたが、CCNAの時に黒本買ったけどほとんど使わなかった経験があり、結局買わずにPing-tだけを8割信じて突っ込んだというのが本音です。
とは言え、僕は顧客先でトラブルシューティングとか経験が割とあり、EEMとかJSONとか完全に経験から覚えてしまっている問題が多々あったので、あまり経験が無い方だと、たぶんPing-tだけで勉強していると落ちるかどうかって感じだと思います。
なので下記の意外と優秀だった問題集を完璧にやるくらいの気持ちで臨んだ方が良いです。
CCNP: ENCOR: 350-401: CCNP ENTERPRISE~(省略)
この問題集が最も本番に近い問題が出題されていました。



結果論かもですが、Ping-tよりもこちらにあった問題集の方が精度が高かったです。真剣にやっておけばよかったなと後悔しています。
購入しても良いですが、少し高いのでKindle unlimited登録した方が良いです。
登録してお得な期間の間にささっと解くのがコスパ良いかなと思います。
英語苦手だからさらっと見るくらいで流してましたが、真剣にやっておけばよかったなと強く後悔。
1問でももぎ取りたい方は真剣にやってください。と、僕は断言します。(過去の自分に言い聞かせたい。)
後述していますが、僕は結果的に合格したから良いものの、Ping-tだけだと問題が違いすぎて、試験中に終始不安があります。
言って良いのかわかりませんが、僕の場合はこの問題集から結構出題されてましたので、確実にできるようにしておいた方が良いです。
(Ping-tに無かった問題がこの問題集にはあった。そしてその問題がそのまんま試験で出題された。)
これから受ける人は是非受験前に一度解いておくことをお勧めします。
「30日無料体験」or「2ヵ月99円」は時期によって変わる場合がありますが、どちらも大変お得です。
CCNP ENCORの勉強方法


僕は勉強期間2ヵ月だったので、上記の図のような進め方です。
基本的には、問題が充実してきつつあるPing-tだけで真剣にやれば、とりあえず対策としてはなんとかなるのかなと感じました。
ただ、結果的には試験当日本番は出題された問題の6~7割くらいはよくわからない問題だったので、Ping-tだけだと試験中に自信失いました。(上記で書いた問題集をしっかりやっておけば・・・)
改定前と後でガラリと出題傾向が変わったように思います。狭く深く勉強するより、広く浅くを意識して勉強しておくのが良いと思います。
勉強の仕方は、こちらのCCNAの勉強の仕方「現役ネットワークエンジニアが効率的なCCNA勉強方法を紹介する」と何ら変わりはありません。ENCORの分野は以下のように8つに分かれているので、分野ごとにまずは攻略していきます。
- アーキテクチャ
- 仮想化
- レイヤ2
- レイヤ3
- ワイヤレス
- ネットワークの管理
- セキュリティ
- オートメイション
まずは自由演習(10問ごとに)で解説を見て学ぶ
初見だとほとんどの問題が解けず間違えていると思うので、Ping-tの解説見ながら勉強します。Ping-tの解説は親切だし出題される問題の部分をカバーしているので、これを理解していけば問題自体は徐々に解けるようになってきます。まずはそれで大丈夫です。
僕自身も初見な技術ばかりでしたが「へぇーこんな技術があるんだー」程度に回答を眺めつつ理解していきました。
最初問題を解くときに正解できる問題でも最初はあえて間違えて次に進んでも良いかもしれません。まぐれで正解したということは無いようにしてください。
これでほぼ全問理解していきます。
自由演習
理解の定着度を測るために自由演習していきます。
各分野ごとに全部コンボになるように問題を解いてください。(長期記憶)
最初は初見の物ばっかりですごく時間がかかりますが、このようにやっていけば、要所は抑えられます。
模擬試験を行う
全項目でコンボまで終わったら、模擬試験(連続102問)を行います。僕の時はこのとき残り2週間もなかったです。
102問に対する集中力を高めていきます。
模擬試験は毎日ひたすら解きまくって、誤ったところはしっかり解説を見ておきましょう。模擬試験は102問で120分ですが、60分以内に解けるようにしておきましょう。
この時点では基本的なことは理解しているはずなので、間違った問題を覚える苦労もそこまでしないだろうと思います。
ここで間違った問題はコンボ⇒ミスに落ちますが、今は気にしなくてよいです。次使います。
試験前日~当日の勉強方法
ミスに落ちている問題=覚えきれていなかった問題でもあるので、徹底的に覚え込み、頭を整理します。(短期記憶)
特にSTPやOSPF、BGP(weightとかLPとか)等のプライオリティは整理しておきましょう。
僕はたったこれだけしかやってませんでしたが、何とかCCNP ENCORに合格することができました。
いざ試験実施【僕のENCOR合格体験記】
これだけ勉強したんだから(とは言ってもPing-tだけ)何とかなるだろう、と思って会場に向かいました。持ち物は財布とスマホだけです(他人から見ると完全舐めてる)。
僕は確認する資料は何もありませんでした。笑
周りの人はリュック背負って参考書とか持ってましたので、他の方から見ると僕は異端児だったように思います。笑
受付して、いざ試験開始です。
試験実施
以下、試験中の僕のひとり言(心の中で)です。
自分を信じていざ出陣です。



諦めるのが早かったかなと、反省しております。
試験開始数問 | なんだこれ、Ping-tと全然違うし全然わからない…。日本語しっかりしてくれ。Cisco語わからん。 |
---|---|
前半 | う~んなんか知ってる問題出てこないなぁ…。これKindleの問題集であった気がするけど解いてなかったな(絶望) |
中盤1 | この問題、正解2個あるよね…どっちなんだろ…ワカラネェ。 |
中盤2 | どうせ落ちるんだし長文問題めんどいしPing-tで聞かれてたあたりの答えかなぁ、ピッ。 |
後半 | ああ、もうあと数問で終わるな、次の受験いつにしよ、やっぱ参考書買うかな・・・(遠い目) |
ラスト1問のときに残り31分だったので、120分のうち90分かけて解き終えました。
問題数は今回102問でした。人によっては103問だったりもしますので、102問前後と思います。
落ちたと思ってましたが、意外と良い点数で受かっていました。時間にも余裕があったのでせっかくならもう少し真剣にやれば良かったです。
こんな感覚で6割くらいはよくわからない問題でした。
さすがにCCIEの筆記試験も兼ねているENCORは難易度が高いと感じました。過去何度かCCNAやCCNP R&Sの3科目受験していますが、一番手ごたえが無かったです。
問題の解答で思ったこと感じたこと
基本的に回答は、回答選択数とそれぞれの回答文で、回答の選択肢は1パターンに絞られますが、絞り込めない問題がありました。
具体的に言うと、1つ回答を選ぶ問題のときに、回答が1つではなく2つ3つあるような問題もありました。
例えば、「SW1-SW2間でLAGを設定しているがSW1がLACP、SW2がPAgPで通信が行えない状況のとき、解決するためにどうすればよいか?」のような問題がありました。
- SW1をPAgPに変更する
- SW2をLACPに変更する
というような選択肢が並んでいて、機器の状態を見てもどっちと決定づけられるような記述はなく、どっちを選んでも正解じゃないかと思われる問題がありました。
このようなどっちを選んでも正解というような問題がいくつかあったと思います。
単なるテストではなくトラブルへの対応力が問われてる?
おそらく回答は1つではなくて、ネットワークとしてうまく構成され繋がるようになれば良いという考えのもとで問題が出されているような気がしました。
もしかしたら問題の不備かもしれませんけどね。
対向の機器間のどちらを触っても通信ができるようになれば良しとするような問題だったのかもしれません。Cisco機器か非Cisco機器かなんて書いてなかったですし、自分でトラブルシューティングするならどっちの機器を見てどっちの機器に合わせて設定変更をするか?という観点で対応を見られていたのかもしれません。
ネットワークは通信できるようになれば「正」ですからね。もちろんその後の保守など将来のことも考えてどちらが運用しやすいか等も仕事の中では考慮すべきですが、そこまではさすがに考えてないですよね、Ciscoさん?
そんなこともあり、絞り込めなかった問題が多々あった(怪しい日本語に惑わされただけかも)のですが、どっちでも正解だったのかもしれません。
ENCORで出題された問題をメモしておきます
試験に集中しすぎてあまり覚えていないのですが、出てきた問題と解答をざくっと紹介しておきます。誰かの役に立てばうれしいです。
- LAGが組めない⇒LACPとPAgPの相違
- OSPFで隣接関係にならない⇒passive interfaceになってる、helloタイマーが異なる
- EIGRPとOSPFの特徴と違い⇒不等コストとメトリック計算につかうもの
- オンプレミスとクラウドの違い⇒Ping-tやっとけば完璧だった
- RSPANの設定確認 ⇒Sourceがなくて不完全
- BGPで自ASから出る場所を制御 ⇒ローカルプリファレンス値、AS_Pathを変更する
- LISPで、MRやMSとITR、ETRの要求/応答の流れ ⇒Ping-tで動きを理解でOK
- Stealthwatchについて ⇒初めて見たので分からなかった。
- MACsec ⇒レイヤ2であることは当たり前すぎて問われなくて、暗号化すること+何かを問われたけど分からなくて忘れた。
- AnsibleとPuppetの特徴(D&D) ⇒初見だったので間違えてたが、Push型/Pull型と多分可用性について問われてた。Ansibleがプライマリーインスタンス、Puppetがマルチマスター構成。(僕は逆にした。)
思い出せばその都度更新しておきます。
出題された問題番号を示しておきます。(上記問題集の問題番号)
NEW ENCOR Questions 1 について
- 1.4択がそのまんま。見たことない問題なので分からなかった
- 5.構成図が同じ。
- 6.YANGについて
- 9.5と3の意味
- 12.出た
- 13.201や300、301も抑えておく
- 17.アンテナ問題は1問出た
- 23.そのまんまドラッグ&ドロップ出た
- 27.GLBPとVSSをえらぶ問題がでた
- 33.VSSの利点を問われた
- 34.タイプ1はどれか問われた
- 41.そのまま出題。QM_IDLEのステータスが何を示しているか
- 45.そのまま出題。37というグループ番号を16進数にすると25
- 47.そのまま出題。
- 54.Wi-Fi6について。Ping-tやってるとWPA3を選びがち。
- 64.そのまま(絵は出なかったような)
- 78.そのまま
- 82.SNRを計算する問題が出た
あとで更新しておきます。
最後に|CCNP ENCORはひたすら暗記すべし!
シミュレーション問題が無いので、問題に対してなぜこの選択肢になるのかをひたすら理解・暗記していけば確実に対応できるようになります。
日々の本業優先での勉強だったので、勉強中に途中マウス片手に寝てたりもしてましたが、この勉強方法で受かりましたので、是非参考にしてみてください。
という訳で、もし本記事が参考になりましたら、CCNP ENCOR受験予定の方々に拡散いただけると嬉しく思います。
本記事でCCNP ENCOR合格率が増えることを願っております。
以上、「CCNP ENCOR受けたら合格したので勉強法や試験内容を解説します」でした!
「30日無料体験」or「2ヵ月99円」は時期によって変わる場合がありますが、どちらも大変お得です。